近頃、「主人在宅ストレス症候群」を抱える主婦が増えていることをご存じでしょうか。主人在宅ストレス症候群とは、夫が家にいることが妻のストレスとなる病気です。夫が定年退職し、家にいる時間が増えることでストレスが生じるケースがほとんどですが、若年層の主婦でも発症する場合があります。
今回は、主人在宅ストレス症候群の原因や症状、対処法についてご紹介します。
夫が働いている間、主婦である妻は1人で自宅にいる時間が長くなります。しかし1人で過ごすことに慣れた妻も、夫が仕事を退職したり、帰宅時間が早くなったりすると生活習慣を変えざるを得ません。生活習慣の変化がストレスとなり、主人在宅ストレス症候群になってしまうケースがあるのです。
生活習慣の変化の具体例としては、食事の世話が挙げられます。今まで、長い間1日に1〜2回料理を作っていた妻は、毎日3度の食事を作ることにストレスを感じるでしょう。また、今まで自分のタイミングで摂っていた食事を、夫とタイミングを合わせて行う必要があることも、ストレスであるようです。
また、外出することを快く思わない夫も多く、妻は束縛を感じることがあります。友だちとランチに行こうとすると「誰と?何時に帰る?」と質問をしてくる夫の存在に、自由を奪われていると感じる方は多いようです。
主人在宅ストレス症候群と診断された妻は、心や体にさまざまな負担を抱えています。身体的な症状と精神的な症状が1度に現れるケースも少なくありません。
身体的な症状としては、高血圧や動悸、息苦しさ、頭痛などがあります。免疫力が低下して風邪を引きやすくなったり、便秘・下痢をしたり、消化器が弱ったりするケースも多いでしょう。
精神的な症状としては、イライラや冴えない気分が続いたり、うつ状態になったりする場合が一般的です。重度になると、投薬治療が必要な状態に陥ることもあります。心療内科や精神科を訪れ、カウンセリングを受ける夫婦も珍しくありません。
主人在宅ストレス症候群の方は、1人で悩みを抱え込んでしまいがちです。しかし、1人で問題を解決することは簡単ではありません。思っていることや悩みは人に伝え、自分でできる対策、周囲にしてもらえる対策、夫にしてもらえる対策を整えていきましょう。
自分でできるストレス対策としては、外で行うものがおすすめです。趣味の集まりやボランティア活動、友だち付き合いなどで外出する機会を増やしていけば、家庭生活の息抜きとなります。家の中で自由に過ごせないことを気にし過ぎず、外での楽しみを見つけてはいかがでしょうか。
周囲の協力を得る際はまず、気の許せる友人や知人に相談しましょう。もしかしたら、その友人や知人が、また新たな頼れる友人を紹介してくれるかもしれません。
そしてやはり大切なのは、夫の協力を得ることです。夫に自分が主人在宅ストレス症候群であることを告げ、家事の分担や外出の許可に関して、寛大な対応をしてもらえるよう相談しましょう。家事を分担して行うだけでも、夫に対するイライラが治まる可能性があります。
ただし、主人在宅ストレス症候群であることを伝えると、夫はショックを受けてしまうかもしれません。伝え方には気を遣う必要があります。
主人在宅ストレス症候群の特徴などや対処法をご紹介しました。
症状に心当たりがある方は、まずは友人や医師、夫に相談しましょう。夫に相談しにくい場合は、共通の知人を介して話してもらう方法も有効です。
症状を我慢したまま生活を続けると、夫婦関係や家庭環境に支障をきたすかもしれません。気づいたときにすぐに対処するようにしましょう。