メディアで、「前世の記憶」を鮮明に語っている子どもを見て驚いたことはありませんか?また身近なところでも、知人や親戚の子どもが、行ったことのない場所や生まれるずっと前の音楽を知っていたなどの話はよく耳にします。
生まれ変わる前の記憶、つまり前世の記憶を持つ子どもは多いといわれています。前世の記憶を持っていた子どもの多くは、成長し、現世での記憶が増えるにつれて前世の記憶を忘れてしまうものです。しかし、大人になっても前世の記憶を取り戻すことは可能です。
今回は、大人になってから前世を思い出す方法を、生まれ変わりの基本的な考え方である輪廻転生の概要と併せてご紹介します。前世の記憶を取り戻すことで、心に抱えていた違和感やトラウマを払しょくできるかもしれません。ぜひチェックしてください。
輪廻転生とは、死後、彼岸=あの世に行った魂が、此岸=この世に生まれ変わるサイクルの繰り返しをいいます。私たち日本人には仏教の思想として知られている輪廻転生ですが、実は輪廻転生は古代エジプトやギリシャをはじめ、世界的に見られる考え方です。「輪廻」の言葉単体だけだと、動物も含め生きとし生けるものすべてに生まれ変わる可能性を持つ表現となりますが、「転生」を付け足すことで、人間は人間にしか生まれ変わらないという意味を持つ言葉となります。
20世紀以降の精神医療の分野では、催眠療法で前世の記憶を思い出させることで心的外傷を取り除く「退行催眠」または「前世療法」と呼ばれる方法が実践されてきました。医学の世界でも、大人になってから前世の記憶を思い出すことに、一定の意義が見出されていることが分かります。
まずは自分自身をよく観察しましょう。特に、両親や親戚にはない自分だけの身体的特徴、くせやこだわり、快感を覚えることや恐怖を抱いていることに注目します。その後、ピックアップした特徴を、現世の経験や環境などの原因と結び付けてください。すると、中にはどうしても原因の説明がつかないものが出てくると思います。原因の説明がつかない特徴は、前世と結びついている可能性があるため記録しておきましょう。
次に、夢日記をつけ、無意識の中に前世への手掛かりを求めましょう。日記をつけたら、自己観察のときと同じように、夢のモチーフやできごとを現世のものとそれ以外のものに分類していきます。また、何度も繰り返し見る夢も、前世からのメッセージである可能性が高いため、記録しておいてください。
気になるものをピックアップしたら、ピックアップしたできごとやもの、時代、場所について調べたり、繰り返し夢に出てくる場所を訪れたりしましょう。そして、感じたことをそのまま記録します。
重要なことは、感じたまま、思ったままのことを記録することです。「これは自分が作り出したものではないか、現世にも原因があったのではないか」などと疑いの思考を挟むと、前世の記憶を正しく呼び戻すことができません。前世をある程度思い出し、現世の記憶との切り替えが必要になるまで「思考」はいったんストップさせることが必要です。
以上のプロセスを繰り返し、少しずつ前世の記憶を思い出しましょう。
前世を思い出すステップを実践する際は、3点注意すべきことがあります。
1つ目は、自分をしっかり持つことです。前世を思い出した後、前世と現世の記憶が入り乱れてパニックになることを防ぐためです。場合によっては、前世を思い出す過程で多重人格性障害に陥ってしまう可能性もあるため、現世の自分の人格や記憶をきちんと把握し、自己を常に保つよう心掛けましょう。
2つ目は、何を話しても理解してくれる信頼できる友人を持つことです。子どもが前世の記憶をしゃべるときには親が受け入れてくれますが、大人になって突然前世のことを話すと、周囲は混乱してしまいます。すべてを受容し、支えてくれる存在を身近に持っておくことが大切です。
3つ目は、前世を思い出す行為について自分で責任を負うことです。前世の記憶は、幸せなものばかりではないでしょう。つらい気持ちになったり、思い出したことを後悔したりする記憶もあるはずです。そのようなリスクもすべて承知し、前世を受けとめる覚悟を持った上で、前世を思い出す必要があります。
前世を思い出すには時間が掛かります。しかし前世を思い出すことが、なかなか晴れない心の闇やいつまでも癒えない傷の原因を知り、より良い現世を歩むためのきっかけとなるかもしれません。心の小さな引っ掛かりを手掛かりに、前世の自分を訪ねてみませんか?