視覚、嗅覚、聴覚、味覚、触覚の五感を超える、「第六感」の存在について聞いたことのある方は多いと思います。第六感を持っていれば、人生の岐路で瞬時に正しい選択をしたり、敏感に危険を察知して回避したりできるのに、とうらやましく思ったことはありませんか?
「シックスセンス」の呼び名で話題になった第六感には、特定の人に先天的に備わった霊的な力や超能力のようなイメージがありますが、実は訓練によって習得できるものであるともいわれています。第六感は、いわばインスピレーションや直感です。ものごとの「正解」を瞬時に導く力として、近年は世界のアスリートたちも鍛えているそうです。
今回はこの第六感を磨き、直観力を鍛える方法を3つご紹介します。
直観力を働かせるためには、研ぎ澄まされた感覚が必要です。そのために、まず五感を鍛えましょう。五感を鍛えることは、脳にクリアで正確な情報を多く伝え、適切に処理させる訓練であるため、第六感を磨くことにつながります。
世界的にも行われているトレーニングとして、暗闇の中で五感を磨く訓練があります。人間は普段、五感のうち七割を視覚に頼っているといわれます。視覚に頼らず、ほかの感覚を研ぎ澄ますことがこの訓練の目的です。たとえば、耳を澄ましましょう。聞こえてくる音はどんなものか、音の高低、大きさ、遠近など、具体的な情報を思い浮かぶままに口に出して説明します。いつもは気づかないたくさんの音を耳にすることでしょう。それらすべての情報を列挙していきます。同じことを、におい、音、触感、味についても行います。重要なポイントは、リラックスして、子どものように素直でシンプルな気持ちで行うこと、そして必ず声に出すことです。これを繰り返して、第六感を鍛える前提となる五感を磨きます。
ふとした「勘」が浮かんだあと、その勘とは逆の行動を取ってしまって失敗し、「最初に思い浮かんだ通りにすればよかった」と後悔した経験はありませんか?
棋士の直観力を測定したある研究によると、人が「何かを選択しよう」と考えたとき、その人の「直感の答え」、つまり勘は、0.1〜0.3秒後には心に浮かんでいるとされています。その直感の答えを見逃さず、ためらわずにすぐ行動に移すようにしていきましょう。将棋が練習すると上達するように、直観力も繰り返し実践することで鍛えられます。何かを決めるときには、日常的に、感じた瞬間行動すること、ためらわずに勘に従って行動することを心がけてみましょう。
日常生活の空いた時間に、「予想して当てるゲーム」をすることでも、直観力は鍛えられます。電話がかかってきたときに誰からかかってきたかを予想する、同僚が次の日何色の服を着て来るかを予想する、といった簡単なことを繰り返しましょう。考えずに、瞬時に答えを出すことが大切です。
トランプを使った直感ゲームを一つご紹介しまします。1セットのトランプをすべて裏返しにして重ね、カードの柄や数字を予想しながらめくっていきます。さまざまな練習と同じように、この予想ゲームも易しいステップから始めましょう。まずは色を当ててみます。二択であるため比較的当たりやすくなっています。ゲームを繰り返して色が当たるようになったら、次は柄を予想しましょう。今度は四択になりました。柄が当たるようになったら、数字を、数字だけで当たるようになったら色と数字の組み合わせ、そして最後に、柄と数字の組み合わせといったように少しずつレベルアップしていきましょう。ポイントは、当たりはずれを気にしないこと、考えずに即答していくこと、そして先述した暗闇の訓練と同様、リラックスした気楽な気持ちでやることです。
いかがでしたか?第六感・直感は、遠い世界の特別な力ではなく、日々の実践によって誰でも身につけられる能力です。直観力を磨いて、これまでとは違う世界を感じられるようになってみてはいかがでしょうか。