今までは順調に痩せていたのに最近はいくら頑張っても体重が変わらない。ダイエットをしていると、そのような時期が必ずと言って良いほどやってきます。
先の見えないダイエットに気持ちが不安定になってしまうこともあるでしょう。しかし、いつまで停滞期が続くのか、そしてどのようにして停滞期を乗り切っていけば良いのかを知っていれば、前向きにダイエットに取り組めるはずです。
今回は、ダイエット停滞期の期間や、長い停滞期の乗り越え方をご紹介します。
人間には、外的環境の変化が起こってもバランスの取れた状態を維持しようとする「ホメオスタシス機能」が働いています。例えば気温が上昇した際に発汗して体温を保ったり、けがをした際に傷口がふさがれたりすることもホメオスタシスの働きによるものです。
ダイエット時にエネルギー補給量が少なくなる時期が続くと、体は「飢餓状態かもしれない」と認識してできるだけ同じ状態を維持しようとします。ダイエットを始めて1か月以内に体重が5%以上減ると、ホメオスタシスは最大限に働いてしまうのです。
停滞期の原因となるホメオスタシスですが、体にとって重要な役割を担う大事な機能であることは間違いありません。特徴を理解して、うまく付き合うことが大切です。
停滞期にダイエットをやめ、食事の量を前と同じに戻すとリバウンドしてしまうことがあります。
ダイエットをしばらく続けることによって、エネルギーの供給量が少なくても体を維持できる状態になります。そのような状態で突然ダイエット前の食事量に戻すと、必要以上の栄養を摂取していることになってしまうのです。結果、エネルギーの代謝よりも吸収量が多くなり体重が増えていきます。
リバウンドはこのようなメカニズムによって引き起こされます。
停滞期の原因となるホメオスタシスは、一定の状態を保ち続けると解除されて働きを終えます。個人差はありますが、停滞期は2週間から1ヶ月間程度続くことが多いでしょう。その間、食事量と健康状態を維持する必要があります。
この時期は体重を減らすことを意識し過ぎず、再度減少期が来るのを待ちましょう。
しかし、分かってはいても停滞期は精神的につらい時期です。イライラしたり憂鬱になったりしてしまいがちですが、停滞期はいつか終わると信じることが大切です。
停滞期において意識したいものは、栄養バランスの良い食事と適度な運動です。
特に栄養面では、筋肉量を維持するためのたんぱく質や、たんぱく質の生成に必要なアミノ酸を積極的に摂ることが重要です。アミノ酸は疲労回復効果や脂肪燃焼を促す効果があります。アミノ酸はお酢、特に黒酢やリンゴ酢などに多く含まれています。
たんぱく質は大豆食品や魚、赤身や脂肪の少ない肉など低カロリーのものから摂取しましょう。
食事を極端に抑えてしまうと、基礎代謝が下がって筋肉も痩せてしまうため注意が必要です。
ただでさえ辛い停滞期に、無理に運動量を増やしてしまうと続かなくなってしまう可能性があります。停滞期は、とりあえず現状を維持することを大切にしてください。また、同じ運動に飽きたら新しい運動にチャレンジすることも気分転換になります。
リバウンドを繰り返してしまうと、ホメオスタシスがより強力に働いてしまいます。
ダイエットを計画する際には、停滞期やホメオスタシスを考慮しておく必要があるでしょう。
一度に体重の5%以上は減らさないこと、そして減らした体重をとりあえず1カ月間維持することを目標にすれば、リバウンドを避けて目標体重へ早く到達できるかもしれません。
停滞期が来ることは当たり前だと理解していれば、後は対処するだけです。つい頑張りたくなりますが、いき過ぎたダイエットはかえって逆効果になることも少なくありません。
ダイエットの最大の難所である停滞期を制すれば、ダイエットを制したも同然です。
停滞期は「減らすこと」よりも「維持すること」を意識して乗り越えましょう。