最近さまざまな事情からシングルマザーになる道を選ぶ人が増えてきています。しかし、離婚をすればパートナーを失い、子どもと自分だけで生活していかなければなりません。そのことに不安を抱き、なかなか離婚まで踏み切れない方も多いでしょう。
離婚後の生活をイメージして準備をしておけば、漠然とした不安は解消されて幸せな離婚に踏み切ることができます。ここではシングルマザーになるために、やっておいた方がいい準備についてご紹介します。
離婚を意識し始めた時から、必ずしておいた方がいいことは貯金です。結婚後の貯蓄は夫婦共有の財産のため、あらかじめ分割しておくと手間が省け、夫の財産独り占めを防ぐこともできます。
離婚後すぐに仕事が見つからなかったり、養育費の支払いが滞ったりする事態も考えられます。生活費としてお金を貯めておくに越したことはありません。
一度に多額の現金を夫婦共有の口座から引き出すと、財産分与の時にヘソクリの存在がバレてしまう可能性があります。そのため、毎月一定額を引き出し、現金で貯めてから子ども名義の口座を作って入金するという方法があります。
もしくは結婚前から持っている旧姓の口座があれば、そちらに少しずつ入金しておくと良いでしょう。財産分与は、自分の親から子どもへの贈与や結婚後にもらった自分への祝い金などは対象外です。別口座にしっかり貯めておき、離婚への準備を進めましょう。
また、子どもが小さいなどの理由で正社員の仕事に就くことが難しい事情がある場合は、離婚前に夫の家族会員としてクレジットカードを作っておくと便利です。
次に準備しておいた方が良いことは、自治体の助成や減免制度です。離婚後に申請してからもらえる助成金の1つに児童扶養手当があります。
これは1人親家庭の児童のために自治体から給付される手当で、児童1人につき毎月1万円弱から4万円くらいの手当がもらえます。所得制限があり、子どもの人数と所得に応じて額が決定されます。
また、東京都の場合は児童育成手当があり、18歳までの児童1人につき毎月1万3,500円が支給されます。離婚しなくても支給される児童手当と共に、将来必要になる子どもの教育資金の準備として貯蓄にまわしましょう。
その他、母子家庭の住宅手当、1人親家族等医療費助成、乳幼児や義務教育就学者の医療費助成、保育料の助成と減免があります。また、所得税、住民税の減免と国民年金、国民健康保険の免除、公営バスや電車の割引や水道料金の減免があります。
自治体によって申請条件があるため、事前に確認しておきましょう。
いくらシングルマザーをサポートしてくれる制度があるといえども、毎月の生活費と将来の教育資金を考えると、継続して収入を得られる仕事に就いた方が安心です。仕事をしながら子育てもしやすい職場環境は、シングルマザー以外でもなかなか就くことができないため、離婚前に資格取得などの準備をしておいた方が良いでしょう。
シングルマザーに人気の資格は、看護師やヘルパーなどの医療福祉系の資格です。看護師は資格取得までに時間がかかりますが、国からも学費支援がされ、キャリアアップのための転職もしやすい仕事です。
次に人気の資格は簿記やパソコン検定です。事務系の仕事は9時から17時までの勤務時間で週休二日と安定した勤務形態のため、子どもとの時間が取りやすいと人気です。
ただ、少ない募集に応募者が殺到することもあるため、資格を併せ持っておいた方が良いでしょう。経理実務までできると即戦力として働けるため、簿記検定2級以上は必須となります。
そして、ファイナンシャルプランナーも働ける業界が広く、将来的には独立も可能なことから人気が高い資格です。1級になると合格率が10%と低くなりますが、3級なら60%と高くなります。
収入を増やしながら子どもとの時間を確保するためには、独立起業するという選択肢も出てきます。キャリア形成をしっかりとしたい人には良い資格です。
シングルマザーとして生きるには、どれだけ準備しておいても十分とは言えません。感情的に離婚に踏み切らず、貯金や資格取得など離婚前の期間にできる限りのことはしておきましょう。また、手当や助成金など利用できるものは積極的に申請し、活用できるように下調べをしておくことも大切です。